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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第5章 シャドウ・サーヴァント


***

「此処か?」
「うん。間違いない。此処が、以前オルガマリー所長が、マシュの盾を触媒にして、サークルを設置した場所だよ。でも……。」
 間違いなく、此処はサークルを設置したポイントだ。しかし、私にも分かる、その異様な空気。此処のポイントは、何というか……。特に、空気が“淀(よど)んで”いる気がする。言葉で表現するとすれば、そう。“陰気”が立ちこめているような、そんな感じだ。
「……。」
 アヴェンジャーは、地面にその漆黒の炎を落とした。蜘蛛の糸のように、細くその姿を変えた黒い炎が、じわじわと地面を這う。
「…………。」
 アヴェンジャーは、しばらく目を閉じて集中していたようだが、やがてゆっくりと口を開いた。

「原因の一端は、間違いなく、此処だ。」
「うん。何となくだけど、分かる。“此処”は、良くない。」
「粗方(あらかた)のカラクリは看破した。まず、此処は既に、カルデアとの通信拠点などというモノではない。全く別の術式が組み込まれている。およそ、魔術的なハッキングでも受けたか、或いは異質な魔力にあてられて、サークルの機能そのものが変異したか。そんなところだろうな。」
「……、そっか。」
 やっぱり。そんな気はしていた。
「組み込まれた術式はまず、“通信阻害”と“隔離結界”だ。まぁ、これは分かるな? 現状、カルデアと通信がままならないのも、この術式が、ジャミングのような働きをしていることが原因だろう。そして、“魔術の阻害”。お前が、連れてきたサーヴァントとはぐれたばかりか、その繋がりが感知できなくなったことは、これに起因しているだろう。」
「……!?」
 頭が、混乱する。
「ちょっと、待って!? でも、アヴェンジャーとは、もう一度ちゃんと契約できたし、令呪だって、使えたよ!?」
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