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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第5章 シャドウ・サーヴァント



「お疲れさま。」
「何、造作もない。」
 そう言ったアヴェンジャーは、本当に何でも無さそうだった。疑うわけではないが、アヴェンジャーとのパスに意識を集中して、アヴェンジャーの残り魔力量を確認する。……うん、大丈夫。潤沢な魔力量とは言えないが、全く問題のない水準だ。
「だから言っただろう。全く問題が無いと。」
「あ、うん。」
 どうやら、私がパスを介してアヴェンジャーの魔力量を探ったことが、バレたらしい。未熟な魔術師がやることなのだ。『サーヴァント』であるアヴェンジャーには、手に取るように分かってしまうのだろう。
「それより、サークルを設置した地点というのは、何処だ?」
「あぁ、それは、この先の……。」
 言いかけて、その方向へ目を向けた瞬間、私は話すのを止めた。

 そこには、黒い霧に覆われた――――――シャドウ・サーヴァント!
 今の今まで、何の気配も無かったのに、何故だ。でも今は、考えたって仕方ない。当然アヴェンジャーは、既に臨戦態勢だ。一分の隙も無く、前方のシャドウ・サーヴァントを睨んでいる。

「およそ、サークルを守る衛士のようなものだろう。つまりは、“アタリ”ということだ、マスター。」
 アヴェンジャーは、嬉しそうに、その口元に笑みを浮かべた。
「あれは……、キャスターのジル・ド・レェと……、フランスの特異点で会った、ルーラーだったジャンヌ・ダルク・オルタ……!?」
 その影は、キャスターのジル・ド・レェと、ルーラーだったジャンヌ・ダルク・オルタの姿だった。これは、一体……!?
「マスター。姿形(すがたかたち)に惑わされるな。奴らのステータスを見てみろ。」
「うん。」
 マスターとして、敵のステータスを看破する。勿論、未熟な私では、全てを見通すことなんてできないけれど、シャドウ・サーヴァントぐらいなら、問題なくその基本ステータスを看破できる。
「あれは……、本当に、シャドウ・サーヴァント……?」
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