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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第5章 シャドウ・サーヴァント


***

「さて、今日は何処へ行くのだ?」
 アヴェンジャーが、私の隣を歩きながら、そう尋ねてきた。
「うん。やっぱり、『未確認座標X-B』を調べたい。」
「それは何故だ?」
「私が初めて、偶発的にレイシフトしたのが、この『冬木市』だった。そこで、マシュと、当時まだ生きていたオルガマリー所長とで、その『未確認座標X-B』に、サークルを設置したの。だから、おかしいなって。あの時確かに、マシュの盾を触媒にして、オルガマリー所長はサークルを設置した。だからこそ、あの時、その直後から、カルデアとの通信が繋がったわけだし。」
「成る程な。通常、サークルは何者かが物理的、若(も)しくは魔術的干渉を行わなければ、そうそう短期間にその機能が失われることは無い。それも、宝具を触媒としたサークルだ。本来ならば、多少の干渉など、ものともせんだろう。」
「うん。ただ、当時のサークルがそのまま残っている可能性って――――?」
「限りなく低いだろう。最悪、『未確認座標X-B』に到着次第、即刻戦闘という事態も、充分に考えられる。マスター、気を引き締めておけよ。」
「うん。」
 余計な思考をカットし、魔術回路を意識する。昨日の失敗は、繰り返さない。マスターとして、私がアヴェンジャーを守る。

 昨日も渡った大橋を通過して、『未確認座標X-B 爆心地』へ向かう。
 もうすぐ、サークルを設置した地点へ着くというときに、黒い霧のようなものが密集して、ゴーストのような姿を取った。間違いない。敵だ。

「……アヴェンジャー、敵影10。」
 声を抑えて、アヴェンジャーに指示を出す。
「心得た。」

 アヴェンジャーは、昨日の様子など嘘であったかのように、縦横無尽に敵を蹂躙した。敵も、攻撃を繰り出していたが、アヴェンジャーはそれらすべてを、難なく躱(かわ)していた。それどころか、アヴェンジャーの動きに翻弄された敵同士が、誤ってお互いを攻撃してしまう場面すらあった。相変わらず、私の援護など全く必要が無かった。

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