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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第21章 第3部 Ⅶ



 エドモンは何も言わず、私の後頭部を撫でた。耳の辺りも、優しく。それが、泣きそうなぐらいには心地良い。その指先は酷く繊細で、緩やかに髪を梳いていく。やがて彼の唇は、髪へ、耳へ、頬へと落とされていく。
 再び正面から抱きすくめられ、背中を数度撫でられると、加速していた鼓動も呼吸も、穏やかなものへと落ち着いていく。


 不思議な感覚だ。肌と肌を合わせているだけなのに、それが私を、これ以上なく安心させる。到底眠れそうにも無いほどに波立っていた心が、鎮まっていく。

「……、ん……。」
 急速に、瞼が重くなっていく。
「ぁ、ぅ……。ね、む……?」

「あぁ、そのまま眠れ。我が共犯者よ。どうか良いユメを。」
 直接、肌から伝わってくるエドモンの低い声を、最後まで聞き届けられたかどうかというところで、私の意識は途絶えた。






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