第21章 第3部 Ⅶ
マイルームへと着く。扉の前で振り返って、アヴェンジャーの顔を見上げる。
「ありがとう、アヴェンジャー。……その、色々と。今回も何とかカルデアに戻ってくれたのも、アヴェンジャーのお蔭。いつもありがとう。本当に、感謝。」
せめて今日の日の最後ぐらいはと、笑顔を作ってみる。多分その笑顔はヘタクソで、誰が見たって中途半端な作り笑いそのものだろう。それでも。
「俺は……。」
「……?」
「いや、何もない。早く休むがいい。明日の午後には、またレイシフトだろう。」
「うん。おやすみなさい。」
アヴェンジャーが、背中を向けて、歩きだそうとする。私の胸が、刹那の間に寂しさに襲われる。
「まっ……!」
気付いた時には、私の口から声が零れ落ちていた。
「……、休むのであろう?」
アヴェンジャーは、此方を振り返ることなく。
「……。」
沈黙が流れる。その沈黙を破るのは、また、私だった。
「……一緒にいて……。」