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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第20章 第3部 Ⅵ ※R-18





「……―――――――っ、ぐ……!! いつ、ま……、で……! いつまで待たせる気だ、立香―――――!!!!!!」
 伯爵の真紅の瞳が、怒りに燃え盛る赤が、私を捉えた。伯爵が、私を見た。
『……っ!?』
 事態についてゆけず、私は思考ごとフリーズする。



「伯爵様……。いけませんわ。恐ろしいお顔をされて……。悪い夢でもご覧になったようなお顔でございます。今すぐに、わたくしが全て、癒して差し上げます。」
「黙れ……、黙れェェッ!!!!」
 怒り狂った伯爵―――――、いや、アヴェンジャーは、そのまま寵姫を押し退けた。ベッドから転落した寵姫は、しかしそのまま言葉を紡ぎ続ける。
「嗚呼、伯爵様……。 わたくしの、いと恋しき伯爵様……。伯爵様がどのようであろうとも、わたくしは伯爵様を愛し続けると誓った身でございます。」
 それはまるで、録音された台詞をひたすらに喋りつづけるマネキンを見ているようで――――――、

――――あ、
――――ああ、
――――私は、なんて、バカなことを―――――



『―――――令呪を以って命じる。
 アヴェンジャーよ、宝具を使用し、此処から脱せよ!!』
 最後の令呪を切る。それと同時に、アヴェンジャーの宝具が展開される。“どんな牢獄からも脱する”宝具が。

『虎よ、煌々と燃え盛れ(アンフェル・シャトー・ディフ)!!』






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