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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第20章 第3部 Ⅵ ※R-18


 私の感情を逆撫でるような物言いで、シェイクスピアがその声で私を煽る。姿が見えない辺り、シェイクスピア本人は、宝具の展開に忙しいのだろう。
『……その令呪でも使わない限り。』
『……。』
 令呪……。そう言われて、私はハッとする。そうだ。私の手には、残り1画となった令呪があったはずだ。
『……お嬢さん、さぞかしお辛いでしょう? 愛する男が、他の女性と睦み合っているところを見るのは。』
 親戚の子どもに向けるような穏やかな声で、シェイクスピアは私に語りかける。
『……それは、まぁ……。』
 その優しげな声音に、私は自分の気持ちを認めずにはいられなかった。だって、引き裂かれるような胸の痛みに、抗うだけの術を、私は知らない。
『どうでしょう? その令呪さえ用いれば……。』
 私は、右手を持ち上げて、令呪を確認する。どうやら、視点の固定は解除されたらしい。思った通り、私の右手には、残り1画となった令呪があった。
『これで……?』
『えぇ。その通りです、お嬢さん。それがあれば、お嬢さんの恋心を知りながらも、あのように他の女と睦み合っている男に、懲罰を加える事だってできますとも。令呪とは、サーヴァントを律するための道具。自害を命じることだって、不可能ではないのですから!』
『懲罰……? 自害……?』
『えぇ、その通り! お嬢さんには、それだけのお力と、何よりも権利があるのですから!』
 シェイクスピアが、そう高らかに宣言する。



「伯爵様……。」
 寵姫は伯爵に、情熱的な口付けを送る。頬へ、首筋へ、唇へ。

「……っ、ぁ。愛しています、伯爵様……。心より、愛しております……!」
 寵姫の告白は、真に迫るものだ。きっとあの女性は、全てを投げ打っても、モンテ・クリスト伯爵へ全てを捧げる。
「わたくしが……、伯爵様だけのわたくしが……、伯爵様の全てを、癒して差し上げます……!」
 そう言って、寵姫は伯爵へと覆いかぶさった。寵姫は、身に纏っていた美しいドレスを脱ぎ捨てると、その美しい肢体を露にさせた。そして、伯爵のズボンへと手をかけ、下へとずらす。布地の薄い部分を、――――――伯爵の局部を、慈しむような手つきで、撫で上げる。

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