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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第19章 第3部 Ⅴ




「此方も、スプリガンの処理が終わりました。もう、あれらはただの石像ですとも。」
「……。」
 確かに、スプリガンからは、もう何の魔力だって感じない。シェイクスピアの言う通り、今目の前にあるのは、巨大な石像、ただそれだけだ。
「では、吾輩はこれで御役御免です。さぁ、世界最高の復讐鬼よ。吾が霊基(カラダ)を燃やしてください!」
 シェイクスピアはそう言って、アヴェンジャーへと両腕を広げて見せた。
 アヴェンジャーの左手に、黒炎が灯る。その炎はシェイクスピアへと燃え移ったかと思えば、すぐにその勢いを増し、シェイクスピアの霊基を包み込んだ。
『How far that little candle throws his beams! So shines a good deed in a naughty world.』
 シェイクスピアは、それだけ言って、消えた。私には、何を言っているのかは分からなかったけれど、彼は最期まで、満足そうに笑みを浮かべていた。


「ん……?」
 シェイクスピアが消えた後に、端が少しだけ焦げたメモが1枚、残されていた。私は急いで、メモを拾い上げて、確認する。
「これは、地図……?」
 見れば、この遊郭の地図のようだった。下の方に「Gate」の文字。ということは、方角的に考えて、下が南にある門、つまり大門だろう。その北に、規則的に配列されている長方形が、遊郭の建物を表しているのだろう。
「……?」
 最も北、最も東にある長方形が、黒く塗りつぶされており、「Here」の文字。
「ここ……? 何かあるのかな……?」
 この辺りは、まだ探索していない場所だ。ということは、此処に何かがあるということだろう。

「どうする? マスター。」
「……。」
 無論、罠である可能性だって充分だ。それに、アヴェンジャーの調子だって良いとは言えない。でも、長引けば長引くほどに、私たちには不利だ。時間をおけば、せっかく倒した戦力も、また増強されてしまう可能性が高い。もし、この地図が、黒幕やそれに繋がる何かを示しているのならば、攻め込むのなら今しかない。
「マスター、他に何か記されていることは?」
「……んー……?」
 特に、他に記述は見当たらない。アヴェンジャーは、私からメモを取り上げると、裏面を見た。

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