• テキストサイズ

恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第19章 第3部 Ⅴ



「……!」
 十数体のスプリガン。そして、それを圧倒的に上回る数の、人間。吐き気が、する。
「では、あのリア……コホン、いえ、失礼。あの石の巨像は、吾輩が担当しましょう。ですから、お嬢さん方は、今のうちに、あの人間やめちゃった系を一掃するがよろしい。」
「でも……。」
 いや、あの人たちだって、元々は人間だ。それも、恐らく魔術師でも、軍人でもない、ただの民間人だったはずだ。そんな人間を、それも無抵抗の状態にある人間を殺すというのは、してはいけない事ではないだろうか。
「えぇ、お嬢さん。もう、手遅れですから。魔術髄液を打ち込まれ、肉体改造まで施されている時点で、既に手遅れです。最早彼らは、暴力的命令を遂行するしか、脳がありません。お嬢さん、どうか彼らをお救いください。こうなってしまったこと、吾輩にも責任が無いとは言えません故。」
 そう言って、シェイクスピアは胸に手を当て、俯いた。
「フン。よく言えたものだ。」
 アヴェンジャーは小さな声で、吐き捨てるようにして呟いた。
「敵の弱点なんか、分かったりする?」
「えぇ、勿論。魔術髄液を打ち込まれた人間は、その身体の強度が格段に跳ね上がります。しかし、それはあくまでも体の外側の話です。内部……つまり、神経系の強度まで上がっているわけではないという話です。」
「神経系……?」
 困った。髪の毛や爪以外、人間の体には神経が張り巡らされている。これでは、一体どこが弱点なのかが分からない。
「マスター、壁際に。そして、俺が良いと言うまで、目を伏せていろ。此処からは、お前が見るべきではない。」
「え? どういうこと……?」
/ 312ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp