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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第19章 第3部 Ⅴ


「ちょ、え、何を……。」
 シェイクスピアは変なスイッチが入ったようだ。私は、慌ててアヴェンジャーを見る。
「……ぅゎ。」
 アヴェンジャーは、およそ物騒以外の何物でもない目つきで、シェイクスピアを睨み付けている。
 しかし、当のシェイクスピアは、どこ吹く風と言った様子で、喋りつづける。何とも、肝の冷える光景だ。
「いやはや、実はあの戦闘も、吾輩しかと観戦しておりましたぞ! 単独での死闘! 蛇の毒を制しての立ち回り! そして、吾輩もかくやの自己保存スキル! して、世界最高の復讐鬼よ、あの後は」
「今ここで死ぬか?」
 アヴェンジャーは、左手に黒炎を燃やし、シェイクスピアを睥睨した。
「抑えて抑えて……、っ!? 何? 何か来る……!」
 何か、魔力のあるモノが、此方に向かってきている。もしかして、またあのスプリガンが来るのだろうか。そう思い、咄嗟に身構える。
「えぇ……。吾輩の魔力を感じます。間違いなく、吾輩の術式を受けたスプリガンの一種かと。ご安心ください。あれは、初期に作った失敗作で、自動防衛のプログラムしか組み込まれていません。しかし、吾輩では勝ち目がありませんので、戦いません。それでは、完全勝利を目指して頑張ってください! 戦闘が長引くと、間違いなく黒幕に見つかりますので、お気をつけて!」
 シェイクスピアは言いたいことを立て板に水の如く喋って、その場から姿を消した。相変わらず、大した自己保存スキルだ。少しぐらい戦闘を手伝ってくれてもいいのにとも思ってしまうが、今更そんなことを言っても、シェイクスピアは手伝ってくれそうにないので、諦めることにする。シェイクスピアらしいと言えばその通りなのだが。

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