第17章 第3部 Ⅲ ※R-18
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深く、深い、キスをした。それが、はじまりだった。
今までとでは違う。幾度となく繰り返されるそれに、私の意識も、理性も、芯から蕩かされるようだった。
「ぁ、……ぅ、ん……。」
ちゅ、ちゅ、というリップ音が、この部屋の襖や障子に溶けて、吸い込まれていく。薄暗いこの部屋に、月の光が差し込んで、その光がエドモンの銀髪を淡く照らしていた。
その光景が綺麗だと、ぼんやりとした頭で考えていると、エドモンの唇は、首へ、鎖骨へと下りてきた。
「ぅ、ぐ……。」
エドモンの苦しそうな声が漏れる。
「ぁ、はぁ……、ぐ、ぁ……。」
私に覆いかぶさっているエドモンだけど、ダメージが蓄積しているのか、時折苦しそうに息を漏らしている。
「大丈夫……?」
私は、ありきたりな言葉を投げかけることしかできない。それが、どうしようもなく歯痒い。
エドモンは、戦闘でボロボロになってしまった和服を肌蹴させ、呼吸を乱し続けている。その光景が、ひどく扇情的だと思ってしまっている私は、不謹慎だとは思う。それでも、淡い月光を受け、呼吸を乱すエドモンは、どうしようもないほどに蠱惑的な姿で、私は心拍数の上昇を抑えられない。
「すまん……。片腕も思うようには動かん有り様だ。それに、俺も限界が近い。」
顔を歪ませて、いつものエドモンとは思えないような弱々しい声だった。
「……マスターに対して、残酷な仕打ちだとは理解している。だが、耐えてくれ。」
エドモンは、苦虫をかみつぶしたような顔でそう言うと、私の着物を一気に取り払った。一瞬のうちに、外気へ晒される私の肌。体がふるりと震えた。
しかし、それも束の間。パンツを一気にずらされ、取り払われた。そして、秘所に、ぬるりとした感触。ちゅく、ちゅく、という厭らしい水音。
「ぇ、ぁ、あ……?! い、いや、そ、ん、んぅ……?!」
あまりのことに、言葉らしい言葉を話すことも出来なかった。混乱の中、幾らか時間が経過してからやっと、それがエドモンの舌であるということを理解した。理解したが最後、とてつもない羞恥が、私を襲ってきた。