第16章 第3部 Ⅱ ※R-18
「……。」
やはり、カルデアからの供給が断たれている所為だろう。いつもよりも魔力が少ない。アヴェンジャーのことだから、クラススキルで常時回復しているのだろうが、カルデアにいる時と比べれば、魔力量は明らかに目減りしている。
……うん、分かってる。こういう時に、どうやって魔力を供給するのか、ぐらい。前に、冬木ででもうやったから、大丈夫。
「アヴェンジャー、ちょっと、失礼するね……?」
私が、パスを辿ってアヴェンジャーの残り魔力量を調べたことぐらい、アヴェンジャーにはバレているだろう。恥ずかしくないわけではない。でも、今、アヴェンジャーを失うわけにはいかない。
私は、ジェスチャーで、アヴェンジャーに屈むよう促した。
「……下手だな。」
アヴェンジャーはクスリと笑い、私の腰へと手を回した。
「ぇ、な……?!」
突然のことに、私は一気に恥ずかしくなり、身を捩った。でも、アヴェンジャーの力に敵うはずもなく。
「誘うなら、もう少し……」
そう言って、アヴェンジャーはゆるやかに、口角を上げた。その表情が、いかにも色っぽくて、私は不覚にもドキリとしてしまった。
抱き寄せられる体、顔にかかる微かな息遣い。
「……っ……。」
恥ずかしくなって、私はいよいよ目を閉じた。