第16章 第3部 Ⅱ ※R-18
「ん……っ。」
重ねられる唇。2、3度と触れ合えば、その次からは、それが深いものへと変わっていく。くちゅり、ぴちゃりと、水音が響く。やがて舌が絡められて、甘く吸われる感覚。
「ん……、ぁ、ふ……!」
同時に、私のナカから、魔力が抜き取られる感覚。
「……、ぅ……?」
くらりと、私は後ろへと倒れそうになるけれど、アヴェンジャーが支えてくれた。何だか、身体がだるい気がするけれど、それが魔力を抜き取られた所為なのか、それとも、アヴェンジャーとのキスがきもちよかったせいなのか、それは分からない。
「充分だ、マスター。」
アヴェンジャーの瞳は、煌々と輝いている。それはまるで、月の色のようだと、そう思った。アヴェンジャーの背後、窓の外。夜空には、月が眩いばかりに輝いていた。
「今日はもう休め。」
そう言ってアヴェンジャーは、今度は軽く触れるだけの口づけを、私の額に落とした。
「ん……。」
急速に沈んでいく意識の中、こうしてエドモンに抱きしめられながら眠れることを幸福に思う私がいる。不謹慎な事なのだとは、分かっている。でも、こうして、想い人と一緒にいられることを幸せと思わないなんて、私には無理なことだ。エドモン、好き……。
エドモンの体温を感じながら、私はとうとう、意識を手放した。