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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第16章 第3部 Ⅱ ※R-18





「ありがとう……。」
 あの初老の女性と離れてから、アヴェンジャーへお礼を言った。
「何がだ?」
「私を、護ってくれて……。」
「……。俺は、お前のサーヴァントだ。当然だろう。さて、まずは腹ごしらえからか?」
「え?」
 ぐぅぅ……と、私のお腹は情けない音を立てた。そう言えば、此処へ来てから、何も食べていない気がする。
「この大門を抜けた先に、茶屋町がある。そこで店を探す。」
「大門……?」
「アレだ。」
 アヴェンジャーに指された先を見ると、そこには簡素な門があった。見張りの人間が3人おり、遊郭を出入りする者をチェックしているようだった。
 アヴェンジャーと私は、特に呼び止められることなく、その門をくぐることができた。
「俺もざっと調べてみたが、あの遊郭の出入り口は、この大門が唯一のようだな。北側にも、似たような門があったが、厳重に封鎖されていた。」
 大門を出て、遊郭を見やる。塀がこれでもかというほどには高くそびえ立っており、まるで出るものを拒むような、そんな印象を与える。高さにして、4~5メートルはあるだろうか? サーヴァントであれば分からないが、生身の人間がおいそれと超えられる高さではないことは明白だ。
 大門を出て、しばらく歩くと、茶屋町へとたどり着いた。
「わぁ……。」
 そこは、道なりに沿って、色々な店が所狭しと立ち並ぶ、ひとつの商店街のようであった。パッと見ただけでも、駄菓子屋や食堂、甘味処、呉服屋、薬屋、雑貨屋など、およそ生活に必要な店は揃っているのではないかと思わせるほど、多種多様な店が並んでいた。
 食堂の表では、店の人が、蕎麦打ちのデモンストレーションをしている。
「打ち立ての蕎麦! 美味しいよ~! 1杯いかがかね~!?」
 お腹も空いているし、すぐにでも食べたい! ……と思ったけれど、私はお金なんて持っていない。というか、この世界の通貨は、“円”じゃないみたいだし、QPでもマナプリズムでもない! どうしようもない……。
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