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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第16章 第3部 Ⅱ ※R-18



「それじゃあ、また私に、力を貸してくれる? ―――――私は、ここから出て、カルデアへ帰りたい。」
「――――いい目だ、マスター。いや、我が共犯者よ。お前を必ず、此処から出すと誓おう。」
 アヴェンジャーは、そう言って真っ直ぐに私を見据えた。その瞳は、黄金色に、煌々と燃え盛っていた。


「さて、いつまでもこの部屋でいる訳にもゆかぬだろう。調査はいつも通り、自らの足で行うより他はあるまい。」
 そう言ってアヴェンジャーは、襟元を整えた。そう言えば、アヴェンジャーの服装は、いつもの外套じゃない。
「そう言えば、その服……。」
「ンン? あぁ、これか。此処へ来た時に、その辺りの服屋……、呉服店と言ったか……。そこで購入したものだ。いつもの外套では、流石に目立ち過ぎるが故な。」
 深い緑色の、シンプルな和服だが、スラリと背が高いアヴェンジャーには、とてもよく似合っている。漆黒の帯には、細かな金色の刺繍が施されており、彼のセンスの良さをうかがわせる。髪は、後ろで1つに軽く束ねられており、その髪を縛る紐にも、小さくも美しい、琥珀色の石が装飾として付けられている。
「……、似合わぬのは百も承知だ。だが、ただでさえ俺の風貌は、此処では目立つ。苦肉の策だ。」
 そう言ってアヴェンジャーは、目を伏せた。
 ……いやいやいや、そうじゃない……! むしろ、日本人でもないのにスマートに和服を着こなしているばかりか、センスの良い小物まで揃えるとか、もう、素敵過ぎるというか、何というか……!
「ぅ、ううん……。むしろ、似合い過ぎていて……。」
 そう。むしろ、似合い過ぎていて、目のやり場に困るぐらいだ。和服の襟元からのぞく、少し開けた胸元からは、独特の色香が漂ってくるようだし、いつもは外套によって隠されている体のラインも、言い様も無いぐらいに扇情的だ。こんな状況下で、些か不謹慎だとは思うけれど、こんなアヴェンジャーの姿が見られたこと自体は、むしろ嬉しいと言うか……!
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