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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第15章 第3部 Ⅰ ※R-18





 バタバタと、先程の初老の女性が走ってきて、年上の女性と入れ替わった。そして、突然壮年の男に耳打ちをした。脂ギッシュな男性は、突然私から手を離し、退室した。
 一体、何なのか。状況が読めなくてさらに混乱している私に、初老の女性は追い打ちをかけてきた。
「ハッ、喜びな、小娘。」
 凄みのある、最低の笑顔を浮かべながら、初老の女性は勝ち誇ったように喋り始めた。
「アンタに、別の買い手が付いたよ。随分な金額だ。どうする? 金額、聞くかい?」
「……。」
 もはや、どう反応して良いかも分からない。
「40両だよ、40両! ひゃははははは! よく分かんないけど、お前みたいな何処の馬とも知れない溝鼠(どぶねずみ)には、あり得ない金額さね! 大いに! 大いに喜びなァ、溝鼠!」
 初老の女性は、口汚く喋りつづけている。それも、ひどく興奮している。40両、なんて言われても、私にはそれがどれぐらいの金額なのかも分からないけれど、この女性がこれほど興奮する程度には、すごい金額なのだろう。

「ホラ、準備しな……?」
 初老の女性が、ずいっと私へと顔を近づけた。その息が私の顔にかかり、何とも不快だけれど、我慢する。
「これだけの金を積まれたんだ。もう、何をされたって、……殺されたって、文句は言えねェって、分かってんだろうねェ……?」
「……。」
 恐怖で、膝が震える。全身の震えも、止められない。
「ひゃははははは、アハハハハ!! わざわざ日本に来て生娘を買うんだ、余程の好色男と見たよ!! ……、っひゃひゃひゃひゃひゃ!! これはどうなるのか、見物(みもの)さね!!」
 そう言って、初老の女性は下品に笑った。いや、待って。ということは、日本人じゃない……?


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