第15章 第3部 Ⅰ ※R-18
(―――――助けて。)
あぁ、泣いたって何もならないって分かってるけど、涙が出てきた。
(―――――助けて。)
こんな時だって、私の頭に浮かぶのは、あの黒衣だった。
「……、アヴェンジャー……。」
私の喉が、か細い声を漏らす。ここが単なる私の夢でも、下総の時みたいな場合でも、どちらにしたって、サーヴァントが助けに来てくれる可能性なんて、相当に厳しいものがあるだろう。
それでも、その希望に賭けていないと、今の私は潰れてしまう。
だからせめて、ここの今を耐えるために、私はエドモンの姿を、瞼の裏に浮かべる。