• テキストサイズ

恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第15章 第3部 Ⅰ ※R-18




 そこからは早かった。
 医療班がマスターを搬出し、メディカルチェック。案の定、何の異常も見当たらないどころか、肉体的には健康そのものという結果が出るばかり。医術や回復術に長けたサーヴァント達が次々と処置を施してみても、やはりマスターの瞼は開かない。
 過去にも2度ほど、マスターがこのような事態に陥ったことがある。いずれの場合でも、マスターである彼女は、自力で元の世界へと戻って来た。しかし、今度という今度は、どうなるかなど分からない。

「センパイ、目を……、目を開けてください……!」
 マシュ・キリエライトは、各種医療器材に繋がれながら医務室のベッドに横たわるマスターにしがみつきながら、悲痛な言葉を漏らした。
「私は、何もできませんが、せめてここで、……センパイと一緒にいさせてください……!」
 泣き腫らした目で、マシュ・キリエライトは、横になるマスターの傍らに腰掛けた。
 涙をその手の甲で拭い、折り畳みの簡易デスクの上に、ノートパソコンと資料を広げる。
「私は最後まで、センパイの頼れるサーヴァントでいたいですから。」
 その瞳には、確かな決意が宿っていた。


/ 312ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp