第14章 第2部 Ⅳ
「?」
私にはよく分からなくて、首を傾げるしかなかった。
「さて、私はここで見張り番でもしていましょう。マスターは、調査へ赴くのでしょう?」
「え? 天草は、一緒に来ないの?」
話が読めない。どういうことだろう……?
「えぇ。サーヴァントが最低ひとり、此処に残ったほうが良い。それに、“アヴェンジャー”への貸しを作れる最高の機会、むざむざ逃しはしませんよ。」
よくわからないけれど、にっこりと笑う天草の笑顔は、これ以上ないぐらいに爽やかなのに、これ以上ないくらいに黒く見えた。でも、地下を調べると決めた以上、いつまでもここにいるわけにもいかない。
「……それに、恐らくはあまり時間がありません。行かれるのでしたら、早い方が良い。」
先ほどまでの黒い笑みを消して、天草は真剣な顔で私にそう告げた。よく分からないけれど、時間が無いと言った天草の言葉は、真実のような気がして、私は背中を押されたような心地がした。
エドモンと私は、階段へと足を進めた。