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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第14章 第2部 Ⅳ




「さて、マスターも落ち着きましたし……。本来ならばすぐにでもカルデアへ帰還しなければならないところですが……。どうしますか?」
 天草は、エドモンへと問うた。
「俺に訊くな。そこは、マスターへ尋ねるべきところだろう。」
 アヴェンジャーは、溜め息を吐きつつ、そう答えた。

「アヴェンジャー、そう言えば、地下の調査、まだだったね。」
「……。」
 エドモンは、口を閉ざしている。
「もしかしたら、地下にも被害があるかもしれないし、ここまで来た以上、調べたい。」
「マスターなら、そうおっしゃると思っていましたよ。」
 私がそう言うと、天草はにっこりと微笑んだ。
「アヴェンジャー、また案内してくれる?」
「無論だ。お前の決定にこそ、俺は従おう。」
 私が問うと、エドモンは即答してくれた。
『ん? もう少しそっちにいるの? まぁ、危険は無いけど、できるだけ早く戻ってくるように。まぁ、モニターだけはしてるから、何か危険なものを見つけたらすぐに知らせるよ。此方はすぐにカルデアに帰還できるように準備ができているから、帰りたくなったらすぐに声を掛けてくれたまえ。』
 ダ・ヴィンチちゃんも、少しの時間なら見逃してくれるらしい。


 そうして、エドモン、天草と私は、再びシャトー・ディフへと入る。地下へと続く階段へはすぐに辿りつけたが、そこに結界が張られていることを忘れていた。
「どうしよう……。」
「あぁ、こんなもの、すぐに解除できますよ?」
「!」
 天草が、両手をかざすと、あれほど強固に張られていた結界が、すぐさま消える気配がした。
「いいの……?」
「はい。あの時点では、この結界を張った者が誰なのか、そこまでは分かりませんでした。シャトー・ディフの管理者側が結界を張っていた場合、解除すればすぐに我々の侵入を知らせてしまうことになりかねません。だから、たとえ解除できたとしても、しない方が良かったのです。ですが、今はその可能性が消えた。結界を解除するメリットもデメリットも、ゼロになりましたから。」
『ふむ。やはりか。』
 ダ・ヴィンチちゃんは、特に驚く様子もなく、天草の言葉に頷いている。
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