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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第13章 第2部 Ⅲ



「ならば、マスターへと注意が向いたその時こそ、チャンスです。アイツが、マスターへ駆けだした瞬間、私が背後から接近し、最大火力を叩き込みます。どうでしょう? マスターには、一瞬だけ囮になってもらわなければなりませんが。」
 それは、イチかバチかの賭けになる。もし、ジャンヌの火力が通用しなければ、その後の戦闘はかなり厳しいものになる。それでも、何もしないで、このまま全員が潰れるよりは、百倍マシだ……!
「乗った!」
 即答だった。
「流石はマスター。」
 ジャンヌは、どことなく嬉しそうに言って、私から離れた。

「な、ちょっと……!」
 天草は、突然のジャンヌの行動に、驚きの声を上げた。
「2人とも、一旦離れて!」
「ですが……!」
 天草は、躊躇している。それはそうだろう。魔物にはりついているサーヴァントと、マスターである私を護ってくれているサーヴァント、その全員が離れれば、魔物は間違いなくマスターである私を襲う。
「クハハハ! 一旦引くぞ、ルーラー!」
 エドモンは、素早い動きで、魔物と距離を取った。その動きには、何の迷いも無かった。私を信頼してくれているのが伝わってきて、胸に温かいものが広がった。
「……! 分かりました!」
 天草も、エドモンに遅れること数秒、戦闘を一時中断した。
 魔物は予定通り、私を目がけ、爆風じみた突進をしてくる。その巨大な爪が、私へと襲い掛かる。
 しかし、魔物の爪が私へと届くよりも先に、エドモンが私を抱き上げて、距離を取る。刹那、ジャンヌの炎が敵を灼(や)く。見事な連携だった。

「ジャンヌ!」
 私は、エドモンの腕の中からでも、ジャンヌの姿を捉える。ジャンヌが、全力のダッシュで、魔物の背後を取った。そのまま、魔物の背中ど真ん中へと、細剣を突き立てる。細剣が突き立てられたのを確認した私は、瞬時に令呪の1画を消費し、ジャンヌへと魔力を送る。

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