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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第13章 第2部 Ⅲ



「――――ハッ!」
 天草に代わって、エドモンが仕掛ける。場所が屋外に移ったことによって、黒炎による攻撃ができる。相手と適度な距離を取りながらも、要所では接近し、重い一撃を加えていく。しかし、魔物の暴威は衰えることがない。このままでは膠着(こうちゃく)状態どころか、此方が疲弊してしまう。此方の戦力が削りきられる前に、何とかして決着をつけなければならない。私は必死で思考する。

「マスターちゃん! 下がって!」
 ハッとしてジャンヌを見ると、その旗で、魔物の爪を防いでいた。
「……!?」
 一瞬、何が起こったのか理解できなかったが、どうやら、エドモンと交戦中だったはずの魔物が、エドモンの一瞬の隙をついて、マスターである私へ突撃をかけたらしかった。その姿は、まさしく嵐だった。ジャンヌが防いでくれていなければ、私は先程の男性と同じ末路を辿っていただろう。背筋に、ゾッとしたモノが走った。

「チッ……! 此方だ!!」
 エドモンが、魔物へとビームを放つ。魔物は、軽く吹き飛ばされたが、そこまでのダメージを負っている様子は無かった。
「一体、どれほど多くの人間を喰えば、此処まで……!?」
 エドモンがそう言っても、魔物は咆哮を繰り返すだけで、その勢いは全く収まらない。それどころか、隙をついては私を狙ってくる頻度が上がっている。その度に陣形が乱れ、3人の消耗がより進む。これでは、悪循環だ。それに、あの魔物が出てきてから、カルデアとの通信は不良だ。この分では、カルデアから追加の戦力を送ってもらうのだって、無理だろう。何か、考えないと……! 何か……。何か……!

「マスター。私に、考えがあります。」
 エドモンと天草が、魔物と交戦している中、ジャンヌが口を開いた。その声は、いつもに増して真剣そのものだった。
「あの魔物は、間違いなくマスターを狙っています。」
「う、うん。」
 それは間違いないだろう。今だって、あの2人が押しとどめてくれていなければ、あの魔物は私を目がけてやってくる。

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