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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第13章 第2部 Ⅲ


「―――――――!!!」
 大音量の咆哮をあげて、魔物が私へと襲い掛かる。

『告げる(セット)!』
 瞬時に天草の黒鍵が放たれるが、魔物は軽々とそれを爪で弾く。しかし、その一瞬の隙をついて、エドモンが魔物を吹き飛ばす。
「真っ先にマスターを狙う辺り、厄介じゃない……! さっきまでのバカ達とは違う……!」
 ジャンヌが旗を構え直し、私の前へ出る。
「マスターちゃん、絶対に私より前に出ないように! 死ぬわよ!!」
 ジャンヌは、魔物を睨み付けたまま、私へと忠告した。
 エドモンは、魔物の間合いに入ろうと動いているが、相手は大きくて鋭い爪を持っている。リーチの面からみても、エドモンが近距離戦を挑むのは厳しいものがある。
「アヴェンジャー、そんなに近づいたら……!」
 危険だ、と言おうとして、ハッとした。
 ……そうか。エドモンが接近戦を仕掛けている限り、魔物は私へ近づけない。エドモンは、私を護るために、あえて接近戦を挑んでいるのか……! でも、それだって長くはもたないだろう。あの爪ならば、少しかすっただけでも、霊基がひどく傷つきそうだ。それに、この部屋だって、部屋としてはまぁまぁ広いけれど、戦闘を行うにしては、狭過ぎる。何とかして、広い場所に出なければ、勝機は無い。あの魔物が暴れまわれば、私たち4人、絶対にただでは済まない。そうなる前に、とにかく外へでないと……!
 ジャンヌの宝具は、火を伴うので、屋内で使うのには不向き。天草の宝具では、威力があり過ぎて、シャトー・ディフの建物そのものが消し飛ぶだろう。幸いにも、この階には私たち以外はいない。で、あれば……!
「ジャンヌ、ほんのちょっとだけ、アヴェンジャーと代われる? 10秒でいいから! あ、宝具は使用禁止ね!」
「アタシは構わないけど、アンタは!?」
 エドモンは、重い一撃を加え、その反動を利用し宙を舞う。エドモンが間合いを取ったその瞬間に、ジャンヌが割り込む。
「任せなさい!」
 ジャンヌは、旗のリーチを活かして、魔物へと果敢に突撃する。でも、ジャンヌはそれほどまでに前衛に特化したサーヴァントではない。一刻も早く、次の手を打たなければ……!
「アヴェンジャー、下がって!」
 ジャンヌが切り込むと同時に、エドモンが私のもとへと戻ってくる。
「く……ッ!」
 ジャンヌは、何とか魔物の猛攻を凌いでいるが、時間の問題だろう。
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