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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第12章 第2部 Ⅱ



「神父さん、無事なのかな……。」
 肝心のファリア神父は、無事なのだろうか。
『心配ですね……。』
 通信越しにマシュの声が聞こえてきて、私は頭を上げる。
「ご心配には及びませんよ。聖堂教会は、神秘の収集・管理が目的です。いくら血気盛んな代行者でも、その目的を外れて重要参考人を殺すようなことは、ほぼ無いと言って間違いないでしょう。それに、そんなことをすれば、組織から咎められますので。」
 天草は、何か知っているような口ぶりで、そう断言したけれど、彼が何を知っているのか、私にはよく分からない。

『あ、たった今、解析の結果が出たよ! 皆が設置してくれた計測器のお蔭で、解析も随分捗った! 感謝するよ。』
 ダ・ヴィンチちゃんが、高めのテンションで会話へと割り込んできた。
『うん、結論から言おう。この揺らぎは、このまま放っておいても、何も問題は無い。』
「え……!?」
 私だけではない。3人も、驚いていた。
『確かに、魔力反応は今も強いし、シャトー・ディフそのものだって安定していない。でも、ここに魔神柱はいないし、当然聖杯の反応だって皆無だ。付近の霊脈も、一時と比べ安定してきている。つまり、放置しておいたって、歴史の修正力が働き、それなりに正しい歴史へと編纂されていく可能性が極めて高いってコトだよ。お疲れさま、任務は無事達成だ。いつでも戻ってきてくれて構わないけど――――――、どうする?』
 ダ・ヴィンチちゃんは、通信画面越しに、私の目をのぞき込んだ。天草とジャンヌは、ダ・ヴィンチちゃんの解析結果を無言で聞いていた。エドモンだけは、私に何か言いたそうな目を向けたが、やがて瞼を閉じた。どうやら、3人とも、私の決定に従うと言っているようだった。
 それならば、私が言いたいことは、これだけだ。
「もう少し、調査を続けよう。」
「……!」
 エドモンが、眼を見開いて、私を見た。
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