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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第12章 第2部 Ⅱ



「さぁ、吐け! 知っていることを全てだ!」
 鞭で男性を乱打している看守が、鞭をふり上げながら、叫ぶ。男性はぐったりしているだけで、返事をしない。思わず目を背けそうになるほどには、酷い光景だ。
 真新しい傷に、さらに傷が重なり、そこから血が流れる。
「ホラ! 吐け! 早く!! 死にたくなけりゃ、さっさと吐け!!!!」
 そう言っている間も、鞭が止まることはない。囚人の皮膚はやがて裂け、そこから肉が見え始めた。抉られていく、身体。私の全身から、血の気が引いていく。私の身体が震える。それでも、私の身体はもう、勝手に動いていた。
「オラァッ!!!!!!」
「――――――やめろ。」
 独房の出入り口に、鍵は掛かっていなかった。勢いのままに、走る。私はもう、独房内へ侵入していた。許せなかったのだ。
 看守渾身の一撃は、しかし男性に直撃した。看守の鞭は、男性の左眼へと直撃し、そこから勢いよく血が噴き出した。あぁ、私は、間に合わなかった。男性はそのまま崩れ、頭から床へと崩れた。
 それを見るのが早いか、エドモンが私と看守の間へと割って入った。追って、天草が入ってくる。天草は、短い詠唱を呟きながら、男性へと駆け寄った。男性へと手をかざし、さらに詠唱を重ねた。どうやら、治癒魔術のようだが、先程よりも強力なものなのだろう。
「ヒッ……!?」
 突然の出来事に、看守は驚きを隠せない様子だった。どうやら、この看守は人間のようだ。鞭をその手から落とし、分かり易く狼狽え始めた。エドモンは素早く間合いを詰め、看守の首へ一撃を見舞った。看守は呆気なくその場へ崩れた。気絶したらしい。
「どうする、マスター。」
 エドモンが此方へ振り返り、尋ねてきた。この看守の処遇を決めろということらしい。

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