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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第11章 第2部 Ⅰ


 私は、ダ・ヴィンチちゃんに、状況を説明した。でも、ダ・ヴィンチちゃんでも、詳しいことは分からないらしい。もしかしたら、あの魔物は、誰かに使い魔として使役されているのかもしれないということだけだった。魔物にもマスターがいるのならば、多少の怪我を負ったとしても、再生しながら戦闘ができるかもしれないとのことだった。それでも、首を刎ねられても動き続けるというのは、もはや強烈な呪詛のレベルらしい。看守の男から話を聞こうにも、完全にのびてしまっており、しばらく目を覚ましそうにない。天草が治癒魔術を施した相手も、ぐったりとしており、目を覚ます気配すら無い。これ以上ここにとどまっていては、誰かが来てしまうかもしれない。のびてしまった看守は、椅子に座らせて、机に突っ伏すような姿勢をとらせておいた。これなら、居眠りをしているようにも見えるかもしれない。偽装工作をして、そして部屋の隅にダ・ヴィンチちゃん特製の小型計測器を設置して、私たちは部屋を出た。


『もう、1階に大きな魔力反応は無いから、引き続き2階を調べてほしい。』
 ダ・ヴィンチちゃんにそう言われ、私たちは2階へと進んだ。階段を上ろうとしたところで、エドモンが立ち止まった。
「誰か来る。物陰に隠れろ。」
 エドモンの指示に従い、階段の脇へ身を隠す。丁度、物置のような物があったので、その陰に隠れる。

 卑しい笑い声が、聞こえる。あまりにも大きな袋を、数人の看守たちが運んでいる。どうやら、上階から来たらしい。看守たちは、私たちには全く気付いていない様子で、何やら話しながら過ぎ去った。出入り口の方向へ向かっていることから、あの袋は外へ運び出されるらしい。
「何だろう、あの袋……。」
『魔力反応はありませんでしたね。それどころか、生体反応すらありませんでした。スキャン結果を詳しく分析すれば判明するでしょうが……。』
 マシュの声が聞こえる。どうやら、ここは普通に通信ができるらしい。
「死体だ。」
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