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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第11章 第2部 Ⅰ



「それに、“あの聖女”が苦手とする“アヴェンジャー”に貸しを作れるかもしれない絶好の機会です。美味しいじゃないですか!」
 そう言って、天草はジャンヌに向かって、先程とは全く違う笑顔を浮かべた。ジャンヌは、呆れたように、「もういい」と漏らしていた。……やはり天草は、つかみどころのない、不思議な存在だと思う。


「では、話もまとまったところで、今回の任務概要をもう一度整理しよう。」
 ダ・ヴィンチちゃんが、話し始める。
「今回は、少数精鋭部隊での、調査任務だ。1825年のフランスに、謎の魔力の集まりがあるのが観測された。場所は、マルセイユ沖から西に2㎞進んだところにある、イフ島だ。かつて、一等航海士であったエドモン・ダンテス氏が、無実の罪によって収監されたという、悪名高き監獄、シャトー・ディフのある島だ。特に、シャトー・ディフ建物内部の魔力濃度が異常だ。普段であれば放っておいてもいいが、今は世界が不安定だから、危険な芽は早めに摘んでおくのが良いと判断した。そこで、マスターとキミたちサーヴァントには、その原因の調査と、必要に応じてその原因の除去をお願いしたい。」
 こっそりと、アヴェンジャーの顔を見る。その端正な顔は、いつも通りだった。
「了解です。」
 私は、ダ・ヴィンチちゃんを見据え直して、返事をする。
「うん、いい返事だね、マスター。で、これが……。」
 そう言って、ダ・ヴィンチちゃんは、何やら手の平に乗るサイズの機械を取り出した。白っぽいボディに、赤と緑のラインで装飾がなされている。背面のシールは、クリスマスのベルがモチーフだろうか?
「な、何コレ……。」
「よくぞ訊いてくれました! これぞ、天才☆ダ・ヴィンチちゃん発明の、レイライン音声通信機・オルタナティブ・リリィサイズ! 名付けて、“もしもし・オルタ・リリィ”!!」
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