• テキストサイズ

恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第11章 第2部 Ⅰ


 マシュはそう言って、申し訳なさそうに視線を落とした。
「ううん! 前も言ったでしょ? マシュは、可愛い後輩なんだから、いいの! いつもみたいに、ナビとかで頑張ってくれれば、それでいいの! バックアップ、よろしくね!」
 そう言ってマシュに笑いかける。マシュは、少しはにかむようにして、「はい」と短く返事をしてくれた。

「ハイハイ。美しき主従劇場はそこまでです。さぁ、続きをお願いします。」
 ジャンヌは呆れたような顔で、ダ・ヴィンチちゃんに続きを促した。

「今回、謎の魔力の集まりが観測されたのは、マシュの言う通り、1825年のフランスさ! 場所は、マルセイユ沖から西に2㎞進んだところにある、イフ島……と言えば、マスターはもう分かるかな。」
「シャトー・ディフ……!?」
「ご名答。あの巌窟王ゆかりの地だ。」
 シャトー・ディフ。かつて、ただの船乗りだったエドモン・ダンテスが、無実の罪によって収監された監獄の名だ。
「えぇ。主に、政治犯や死刑囚などが収監されたという、この世の地獄ね。」
 ジャンヌが、呟くようにして説明してくれた。そして、こちらをじっと見つめてきた。
「事前調査の結果、建物は、記録にあったシャトー・ディフよりも少し広いようだが、3階建てに地下と、記録とおよそ合致している。ただ、ゴーストの類が多いようで、ここからでも観測されている。まぁ無理も無いが、戦闘ではそれなりに強敵になるだろうね。何せ、ああいった“地獄”には、そういったモノが次から次へと発生する。それに、よくよく成長するからね。今回、マスターに依頼したいのは、その謎の魔力の集まりを調査してもらうことだ。原因を取り除くのが厳しいようであれば、一旦カルデアへ帰還して、再度対策を練ることにしよう。まだ、小規模な異変レベルだ。慌てて行動する必要も無い。このオーダー、引き受けてもらえるかな? マスター。」
 そう言われて、断るなんていう選択肢は、私には無い。いつも通り、自分に出来ることを、最大限やるだけだ。それにしても、先程から、私に突き刺さるような、強い視線を感じる。
/ 312ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp