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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第2章 契り



「ところでマスター。」
 アヴェンジャーの声が、突然低いものになった。
「え?」
「共に引き連れてきた筈の、5騎のサーヴァントはどうした?」
 アヴェンジャーの表情は、険しかった。
「え……?」
 そう言えば、アヴェンジャー以外のサーヴァントの姿が見えない。
「落ち着け。魔力パスを辿れば、大まかな位置を探ることも容易いだろう。」
「あ、そっか。」
 アヴェンジャーに言われて、自分の魔術回路を意識する。引き連れてきた5騎のサーヴァントに、順番に意識を合わせていく。セイバー/アルトリア、アーチャー/エミヤ、ランサー/クー・フーリン……。駄目だ。全く分からない。契約していたはずなのに、繋がりが――――――マスターとサーヴァントとしての繋がりを、そもそも感じられない。
「……、ッ……。 だ、ダメ……。」
 冷や汗が、私の背中を流れる。でも、ここは集中して、残りのサーヴァントの位置を探さないと。ライダー/メドゥーサ、キャスター/メディア……。
「……、ッ……。く……ぅ……。」
 駄目だ。どんなに集中しても、何も分からない。今まで、こんなことは無かった。これほどまでに、契約したサーヴァントとの繋がりを感じられなくなったことはなかった。カルデアを介してとは言え、そこには、確かにあったのだ。マスターとサーヴァントとの、魔術的な繋がりが。それが、この今、全く感じられないのだ。

「そうだ! か、カルデアと、通信を……。」
 いつもなら、レイシフトが完了して間もなく、カルデアの通信が入る。それが、今は全く無い。持たせてもらった、緊急用の通信機を起動させて、通信を試みる。どうか繋がって! という願いを込めて端末を操作したが、何も映らない。せめて音声だけでもと思って、音声通信のみのモードに切り替えてもみたが、結果は同じだった。なんで? どうして? 混乱が湧き上がって、不安と焦燥が増幅する。確か冬木市には、以前サークルを設置したから、通信も安定して行えるはずなのに。

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