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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第2章 契り



「ここ、は……?」
 あんな会話を聞いたからか、不安なまま瞼を開ける。見回すと、見間違えるはずもない、“あの”冬木市だった。
「変動座標点0号のある冬木市で、間違いないだろう。」
「うわっ!?」
 突然、背後から返事が返ってきて、私は素っ頓狂な声を上げてしまった。いや、よくよく考えると、驚く方が変だ。だって、私は6騎のサーヴァントと共に、レイシフトしてきたはずなのだから。
 それにしても、此処は本当に、“あの”冬木市なのだろうか? 先ほどから、何やらゾクゾクとしたものが、背筋を走っている。恐怖とも、不安とも違う、もっと、何というか……。自分の中でも、上手く言葉に出来ないが、景色は同じでも、空気感みたいなものが違うように感じてしまう。まぁ、私は魔術師として半人前だから、こういう自分の感覚をどこまで信じて良いのか、迷うところだけど。
「何をそんなに驚いている? それよりも、此処は変動座標点0号ではないな?」
「うん。違う。確かに冬木市っぽいし、年代も多分合ってる。けど、『変動座標点0号』じゃない。まぁ、同じ冬木市内だから、そう遠くも無いハズだけど……。」


『あれ!? 数値が突然、乱れて……!?』
『も、目標、変動座標点0号ではない地点へ、再設定されて……!』
『間に合わないか! マシュ! 急いで変数固定のプログラム!!』
『はい! あ、ダメ……! 間に合いません……!』


 レイシフト直前に耳にした会話が、突如私の脳内に蘇ってきた。変動座標点0号ではない地点……? 再設定……? 変数固定のプログラム……? 間に合わなかった……?

「それでは一応、此処が目的の『冬木市』で間違いないという訳か。」
 そう言えばアヴェンジャーは、冬木市に来るのは初めてだ。

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