第1章
『は〜終わった〜!!』
その場でバタンと倒れる。
「ちょっと何回言ったら分かるの!床汚いんだよ!?」
『あ〜ごめんなさい!』
毎回毎回カントクに注意される。申し訳ないとは思いつつ、床に寝そべってしまう。
「ほら、こんなとこで座ってないで」
そう言って木吉先輩が手を出してくれた。
『ありがとうございます』
「うお!腕ほっそいな!」
手首をしつこく握ってくる。
『いや、黒子も十分細いと思うんですけど…』
「まぁ黒子も細いが、月希の腕も細くてまるで女の子みたいだな」
『だーかーら!女って言わないでください!』
これまた毎回毎回木吉先輩に女みたいと言われる。
身長は低いし、全体的に細いからしょうがないとは思うけど
これでも健全な男子だ。
『日向先輩も何か言ってくださいよ!』
このやり取りを見てた日向先輩に助けを求める。
「え!?いや…俺も最初お前のこと女だと思ってたし……」
最初、とは部活動見学の時である。
カントクも木吉先輩も日向先輩もビックリしてこっち見てたっけ。
「女の子がいる!」なんて大声で言ってたな。
そんな事言うなら黒子だってそうじゃないか!
って思って先輩に言ったことがある。
そうしたら「黒子は男だ」だとか言い出して。
俺と黒子なんてそう大差ないのに。