第1章
夏休みも中盤に差し掛かり、山梨で合宿を行うことになった。
ここじゃ暑すぎて熱中症にもなりかねないし、少しでも気分転換に、という事らしい。
まぁ遊びに行くわけじゃないっていうのは重々把握している。
「それで今年はうちら誠凛と、海常、あと秀徳も同じ場所で合宿する事になったの」
「……てことは合同合宿って事か?」
「そういうこと!」
日向先輩ががっくりと肩を落とす。
『何でそんなに落ち込んでるんですか』
「考えてみろよ、黄瀬と緑間がいるんだぞ?こっちは火神で手一杯なのにあいつらも増えるとなると……」
「ちょ!それってどういう事だよ!…ですか!」
日向先輩が言いたいことは何となく分かった。集中出来ないって事だな。
先輩の肩をぽんぽん叩きながら慰める俺だった。