第1章
『なぁ火神』
「ん?」
8月某日、俺達は誠凛の体育館で練習をしていた。
いくら水を飲んでも汗はダラダラ流れ、タオルがいくらあっても足りない。
『そういえば黒子ってどこ行ったんだ?』
「また保健室にでも行ったんじゃねぇのか?」
スポドリをがぶ飲みしながら火神がそう言った。
すぐ倒れるのによく火神の影をやってんなぁ。
そこは凄く感心する。
「すみません、保健室行ってました」
「黒子くん大丈夫なの?」
「はい、もう大丈夫です」
さすがにカントクも心配する。
『大丈夫か?』
「月希くんには言われたくないです」
『はぁ!?』
「嘘です。ご心配ありがとうございます」
黒子はすぐ嘘つくけど、ちゃんと感謝の気持ちを表してくれるから好感が持てる。