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【文豪ストレイドッグス・文スト】中原中也・中編 ※R18

第2章 (中也とやっぱりえっちしたりすれ違ったりする話)


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「ダッセー!手前なんだよそのスーツ!!!」

明け方、1番に顔を合わせた中也に、指を刺され、大笑いをされてしまった。

かの中也は、今日は非番らしく、仕立ての良い青空のような濃紺の細身のジャケットに、同色のパンツを合わせ、翠玉のようなグリーンのシャツを合わせている。
ぴかぴかしたレザーのポインテッドトゥに覗くのは、シャツと同色と赤の幾何学模様のソックス…片手には真っ赤なイントレチャートレザーのクラッチ…

(お前はオシャレかよ?!?!?!)

思わず脳内で盛大に叫んでしまう。いや、オシャレなのは毎度のことだけど…

失礼、と一言ジャケットの裏をぺろりとめくり、メーカータグに付いたストライプの小さな飾りに、はウッ…と喉を詰まらせた。
英国ブランドスーツ(サイズ感を見るにおそらくオーダー)とポインテッドトゥを合わせて、こんなにも背が低いのにモデルみたいに見えるのは本当に凄い…こんなにも小さいのにかっこいいしずるい…

「手前ロクなこと考えてねぇだろ」
「ううん、モデルみたいに着こなしてるな〜て思ってたよ。」
「で、そのスーツはやめとけ、手前、折角顔が良いのに台無しだろうが」
「待って、普通は顔が良かったら何着ても良いとか言うもんじゃないの?」
「そのスーツ、3キロは太って見えるぞ」
「マジで?!時間なかったからさ〜」

と言うのは、完全に言い訳だが、変装用のスーツくらい許してよ、とも思う。
オシャレピープル中原中也のファッションチェックはまだ続くらしく、散々足が太く見える、と罵られた後に、その視線は足元に寄せられた。
パンツスーツ(中也曰く丈が短すぎる)の裾から覗くフェイクレザーの黒いパンプスを見て、中也の眉根がピクリと動く。

(あー絶対怒られる…)

「あとその靴はマジでない。今時就活生でも履かねぇよそんなダサい…」

「わっ!」

中也がそう言うか言い終わらないかの内に、体の底から湧き上がるような、あの感覚がを襲った。
中也の重力操作だ。
ふわりと不可抗力ながら浮かされた体は、思うように動かない。両足をぐい、と掴まれると、あっという間にローヒールパンプスは足から離れ、
何もそこまで…と思うものの、中也の能力でなにかが潰された音が聞こえた。


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