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【刀剣乱舞】心はじじい

第2章 【心はじじい】 じじいとおかんと一匹狼(男主)


光坊による近侍は必要な時に必要なものを取り揃えてくれるため、つい頼りがちになってしまうが本人は気にしていない様子でちょうどいい温度のお茶を差し出して来る。
そのまま縁側で茶菓子を貪りながら休憩して昼寝をしたら最高だろう。

審神者に休日がないのが悔やまれる。
刀達は留守番組こそが休日なのだが、伽羅坊は本日仕事を頼んでしまったためまたあとで振り替えておこう。
その時は自分も休めるといいなと遠い目をしながら支障を来さない日に伽羅坊の休みを入れる。

「審神者は辛い職業だな…。」
「疲れちゃった?」

心配そうにこちらを見る光坊は私の額と自分の額に手を当てる。
熱はないし特に何か具合が悪いわけでもないのだが。
普段口にしないことを呟いたため何処か悪いところがあると思わせてしまった。

「いや、体は調子がいい。そうではなく、休みが欲しいなと思ってな。」
「ああ…主は休みがほとんどないね。一ヶ月に一度の全休の日も仕事してるし。」
「全休は食事係も洗濯係もないからな。必然的に私の仕事だよ。」
「言ってくれればいいのに。」

保護者気質のある光坊は私が一人で仕事をこなすことを嫌う。
最初の頃からいるため過労でなんども倒れている現場に出くわしているからだ。

全休の日でさえもほとんど休まないようになったのは刀が多くなり、普段は家事をすることがなくなったからである。
もともと炊事と洗濯は私の仕事だったのだが、刀が増え暇になる刀を減らすため振り分けたのだ。

「体さえ弱くなければ食事くらい作るのだがなぁ。」
「料理が好きだっていってたもんね。あったかくしてさえくれれば立たせられるんだけど…。」

生憎、着物姿では防寒は薄くなる。
光坊のように現代の服に着替えれば良いのだが持っていないため無理な注文だ。

仕方なく一日だけの全休と言う名の強制休みを逆手にとって調理に勤しんでいるのである。
その辺は光坊も気持ちは察してくれた。

「あ、そろそろお昼だね。伽羅ちゃんと交代してくるよ。」
「あいわかった。今日は何かな。」
「底冷えするからうどんにでもしようか。」

にっこりと微笑んで暖かい部屋を去っていった。
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