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【刀剣乱舞】心はじじい

第2章 【心はじじい】 じじいとおかんと一匹狼(男主)


今日も今日とて審神者としての一日を完遂するため、規則正しい時間に待ち構えるへし切長谷部に出陣と遠征の指示を飛ばす。
嬉々としてテキパキ行動している姿に、思わず苦笑いが溢れる。

春過ぎ、猛暑過ぎ、実りが過ぎ、審神者生活2年目に突入しようとしている。
夏物の着物から冬物の厚手の着物に変えてみたが、羽織りがなければやはり肌寒い。
遠征や出陣していく刀達を縁側から見送っているとそっと羽織りが肩にかけられる。

「寒くなってきてるのに羽織りなしはダメだよ。」
「ああ、すまない。光坊。」

背後に立って羽織りをかけてきたのはこの本丸の保護者こと燭台切光忠。
鶴丸国永こと鶴さんに習って光坊と呼んでいる。

今日は内番もない留守番組で、へし切長谷部の内番中の近侍を務める予定である。
しかし、彼は食事係も担っているため調理中のみ留守番組の大倶利伽羅が交代でやって来る。

大倶利伽羅は一人を好むが、通称伊達組と私のせいでほとんど一人になれないでいる。
こちらもやはり鶴さんに習って伽羅坊と呼んでいる。

調理場に足を踏み入れれば近侍もこなせようと提案したのだが、それはかっこよくないと却下されてしまった。
なにかと体が弱く、風邪を引きやすいのにわざわざ冷たい風が入る日本家屋の台所に踏み入れさせるわけにはいかないとのこと。

具合が悪くなると手入れもままならないので致し方なく頷いたが、果たして大倶利伽羅はそれで良かったのだろうか。
そういえば確認していない。

「燭台切。伽羅坊はどこへ。」
「伽羅ちゃんなら留守番組の粟田口の短刀の面倒見に行ったよ。一期さんに頼まれたみたい。」
「近侍のことは知っているのか。」
「ちゃんとお願いしたよ。今日は鶴さんも留守番組だし、粟田口の子達も主のことも大丈夫だよ。」

なにかと短刀達の扱いがうまい鶴さんがいるなら大丈夫だろう。
しかしあやつのことだ。

驚きを求めてひどい騒ぎを起こすことも多々ある。
真面目な短刀達が止めてくれれば良いのだが。
太刀の上に私と変わらない爺さんなのによく騒ぐ真っ白い人の心配事で光坊とお互いに声を上げて笑った。
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