第1章 イマドキ女子のとある事情。
「ねね、りあ!」
放課後、特にすることもなく、ぼーっと帰る準備をしている私に声を掛けてきたのは、クラスメイトの東 美羽(あずま みう)。
くりんとした平均よりかなり大きな目に、丸い頬、肌は白く、腰まである長く綺麗な髪は緩く巻いてある。とても人懐っこくて愛らしい容姿で、性格もかなりの人懐っこさ。わんころみたいだ。
中学の時の私では、全く縁のないような子だ。
「今からみんなで服見に行くんだけど、りあも行かない?」
あー、今月はもうお金が……。
「ごめん、今日は予定が入っててさ……」
「そっかぁ〜。それじゃあ仕方ないよね!じゃあ、また明日ね」
うん、ばいばい、と手を振ってみんなが教室から出て行くのを見送ってから、力なくイスに座り込む。
あーあ、機嫌損ねちゃったかも。
明日はいつもより明るく声掛けた方がいいかな。
「はぁ……」
疲れた……。
誰もいなくなった教室で吐いたため息は、孤独感を演出してるみたいで虚しかった。