第1章 イマドキ女子のとある事情。
実際、イメチェンは成功したと言えるだろう。
3年間愛用していたメガネから、コンタクトへ。
スカートも中学時代とは逆に、膝より7センチ上にした。
近所のおばちゃんが開く床屋で切ってもらった髪も街のオシャレな美容院の人に切りそろえてもらい、様々な方向に跳ねまくっていた髪をふんわりと内巻きにした。
そして、全く興味のなかったメイクも必死に勉強した。
入学式の日、いい意味で変わり果てた私の姿を見た父は、娘がアイドルを目指し始めた、とななめ上なコメントと共に母を慌てて呼び、母は母で、『やぁね、お父さんったら。恋よ、恋』と、これまたななめ上なコメント。入学式の朝、しかも家を出る前で家族以外誰とも会ってないというのに、誰に恋をしたというのだろうか。
入学式の日は実家から登校したが、翌日からは学校が所有しているアパートに住むことになっていた。学校へは徒歩5分。
入学式の日からもう1ヶ月。
中学生時代とは全く違った1ヶ月だった。
見た目がオタクなだけで、基本誰とでもフレンドリーに話せるタイプの私は、すぐにイケてる友達が出来たし、あっという間にクラスの中心にいるグループの一員となった。