第2章 友達と愛想。
朝起きると、腫れは大分ひいていて、見ても分からないくらいにはなっていた。体重をかけると、少しだけ痛むが、歩くのが苦になるほどの痛みではない。
「……おはようございまーす」
慎重に保健室の扉を開ける。
リヴァイ先生にお礼をしようと、朝早くに登校して、職員室を覗くと、そこにリヴァイ先生の姿はなかった。すると、私を見つけた、化学のハンジ先生が、リヴァイ先生は保健室にいるということを教えてくれたのだ。
「……お前か。なんだ?」
あれ、寝ぼけてるのかな。
リヴァイ先生が怖くないぞ。
まあ、リヴァイ先生はあの噂ほど黒い闇を持つ人でないことが分かったし、何より私にとってはいい人だし。
あ、前言撤回。
まだ少し怖いかも。
「えーっと、特に何か用があるというわけではないんですけど……強いて言うなら、昨日のお礼?昨日は手当していただき、ありがとうございました!」
「……それが俺の仕事だ。放っておくわけにはいかねぇだろ」
いや、だって、私たち生徒の噂では、保健室に入ると地獄に送られるって噂でしたし。そんな噂を半分くらいは信じていた私にとっては、かなり感謝感謝なことですし。
下げていた頭を上げて、リヴァイ先生の顔をじーっと見つめる。
「なんだ」
なーんだ。
やっぱり、そんな凶悪面ってわけでもないじゃん。
確かに悪人面っぽいけどさ。
「リヴァイ先生、もっと笑えばいいんですよ。にこーって!そしたら、絶対に可愛いのに!」
ちょうど言い終わった時、チャイムが鳴り始めた。
「あ、予鈴っ!行かなきゃ」
失礼しました、と足早に保健室を出る。
「この馬鹿、リヴァイ先生に可愛いって言っちゃったよ!」
怒られるかな?
怒られる前に飛び出してきたから、ギリギリセーフ?
「あぁぁああああ!」
やっちまった!