第2章 友達と愛想。
「ひょぁああっ」
脚がぐぎって……ぐぎって!
痛い……痛いけど、
ここで耐えないわけには……!
「そ、それじゃあ、さようなら〜」
何事も無かったかのように、にこりと笑い、痛い脚を無理やり動かしながらさっさとその場を去る。実際には、ずるずると、のっそりと、だろうけど。
「ちっ……待て」
小さな舌打ちをしてから、リヴァイ先生が私の肩をつかむ。
「な、何でしょうっ!?」
バレたか。
背を向けたまま叫ぶように答えた。
「何じゃねぇ。お前、脚痛ぇんだろ?」
つかまれた肩がびくりと動く。
「ま、まさかぁ〜!何言ってるんですか〜?全然痛くも何ともないですよ〜!」
もうやだなぁ、あはははは、とその場を去ろうとするも、リヴァイ先生はなかなか肩をつかんだ手を離してはくれない。
保健室にだけは絶対に行きたくない。
無事に帰ってこれるか分からないし、第一、リヴァイ先生と保健室に二人っきりとか、絶対に嫌だ。どんな拷問だ、っての!
「嘘つくんじゃねぇ。おい、行くぞ」
「嫌です、やだやだやだ!絶対にいやぁぁああああ!」
私の脚が痛くて動かないことをいい事に、肩をつかんだまま保健室に向かってぐんぐん進んでいく。
「離して下さいっ!大丈夫ですからぁぁぁああ!」
「黙れ」
じろりと見られ……いや、睨まれ、私は黙り込むしかなかった。
言っとくけど、あんたの目はあんたが想像してる以上に怖いんだからな!その目つきだけで百人は失神させられるからな!ONE PI〇CEの覇王色の覇気と同じ威力だからな!というか、扱えちゃってるんじゃないですか!?
なんて、本人に言えるわけがない。