第2章 友達と愛想。
「お前は俺をバケモノか何かと勘違いしてるんじゃないのか」
いえ、少なくとも私の中では……私達の中ではあなたはバケモノです。
よりにもよって、なぜこの人なのだろうか。
もしかして、独り言も聞かれたんじゃ……?
おそろしくて、そんなの聞けない。この人も誰かに独り言を聞かれたことも両方おそろしい。
「立てねぇのか?保健室に来い。診てやる」
「い、いえ!結構です!わたしくしめが貴方様のお手を煩わせるなど、あってはなりませんのでごわす!」
まだ信じたくはないが、私が今話しているのは紛れもなく、リヴァイ先生だ。
忘れもしない、あれは入学式当日……。
各自の教室に移動しなければならなかったのだが、浮かれまくっていた私はつい迷子に。すると、『おい、お前一年だろ?なぜこんな所をうろついてやがる』と、いつの間にやら気配を消して背後から近づいていた、目つき凶悪保険医こと、リヴァイ先生に声を掛けられたのだ。いきなり目つきも口調も悪い男の人に声をかけられ、私はビビりまくった。入学してからも、リヴァイ先生についての黒い噂はよく聞く。百人地獄に送った、だとか、保健室に来た生徒にはやばい方法で手当してる、とかとか……。
このままだと私……地獄行き?
「っ……!わ、私、立てます!」
お尻の痛みはもうひいたし、立てるはず。立てなきゃ困る。絶対に。
「よい……しょっと!ほら、立てまし────」
ぐぎっ。
ん?ぐぎ?