第2章 友達と愛想。
カバンを持ち、リア充爆発!と心の中で唱えながら帰宅しようと学校の階段を降りていると、足元がつるっと滑った。
「えっ……う、うわぁああっ!」
なんでこんな所に水がこぼれてるんだよぉぉおお!
私の心の叫びも虚しく、そのままお尻で階段を降りていく。
「わ、ちょ、え、う、い、わ、あ、ぎゃっ!」
階段を滑り落ちる振動で、声が細切れになる。まるで、昔、扇風機に向かってした宇宙人のモノマネみたいだ。なんてお気楽能天気な考えを頭の中から削除する。
「ったいなぁ……」
言葉に力を込めすぎて、「痛いなぁ」の「い」が抜けてしまう。あるあるだ。それほどに痛くて、理不尽な思いをした。
「なんで私が階段にこぼれてた水に足を滑らせて階段をケツで降りなきゃなんないの!?意味分かんない!リア充爆発しろって思ってたから!?だとしたら、理不尽すぎでしょ!いいじゃんか!リア充爆発って思ったって!そうだよ……認めたくはないけど、羨ましいんだよっ!!」
心で思ったこの世界に対する不満をぶちまける。どこが、「神様のもとでは皆平等」だ。全くじゃないか。
「はぁ……私は神様なんか信じてないんだよ」
「それは俺も同じ意見だ」
「でしょ?やっぱいないんだよ」
「いや、俺は信じてないだけで、いるとは思っている」
「はあ?あんた、言ってることめちゃくちゃ………」
え、ちょっと待って。
私は誰と喋ってる?
分かってる。
後ろにいるよね?
お尻が痛くて立てない私の後ろに、いるよね?
「お前、変わった階段の降り方してるな」
意を決して後ろを向く。
違いますように。
あの人ではありませんように……
「ひぃっ!ぎゃぁぁあああ!」
神様のバカヤローーーーー!