第5章 魅惑の女性
イナズマジャパンに挑戦状が叩きつけられた。
そのチームの名はネオジャパン。かつて地上最強のチームを作る旅で選手たちを率いた吉良瞳子が監督を務めるチームだ。
何でも選考試合にすら呼ばれなかった、それでも世界と戦いたいと願う実力ある選手たちを集めたチームだということだ。選手はデザームこと砂木沼治を筆頭に尾刈斗、御影専農、帝国などから選手が引き抜かれて結成されている。そして勝利した暁には日本代表の地位を譲れと要求した。
突然の出来事に困惑したイナズマジャパンメンバーだったが、久遠監督は迷いなくこの挑戦を受けた。そして今日、日本代表の座を掛けてイナズマジャパンVSネオジャパンの戦いが幕を切って落とされたのである。
ネオジャパンの鉄壁の守りにイナズマジャパンのフォワード、ミッドフィルダーは攻めあぐねていた。挑戦者である彼らは練習を積み、レベルアップをしているだけではなく、各学校の必殺技を垣根なく習得していたのである。はっきり言って苦戦していた。そして前半開始16分、先にゴールネットを揺らしたのはネオジャパン。下鶴改の放ったグングニルV2であった。
「風丸」
ゴールが決まる数刻前、久遠監督が風丸を呼んだ。風丸ははい、と返事をして監督の前に立つ。久遠は表情を変えずに風丸に問いかける。
「特訓していた必殺技は完成したのか」
「いえ、まだ……」
「今すぐ完成させて来い」
監督の鋭い言葉が飛んだ。風丸は目を大きく見開く。
「この試合、流れを変えるのはお前だ。……完成したら、戻ってこい」
「はいっ!」
威勢の良い返事。彼に期待する言葉、それを聞いていて花織が黙っていられるわけがない。
「一郎太くん、手伝うよ。私も」
花織が風丸が駆けだそうとしたその瞬間に言葉を掛ける。風丸はああ、と返事をし花織の手を握った。
「頼む、花織!!」
「うん!」