第4章 微細な変化
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朝、花織は目覚めてすぐに部屋のカーテンを開ける。朝日が差し込むのを見ていると今日も頑張ろうという気持ちになれるからだ。花織は早起きだ。就寝時間は恐らく誰より遅いはずなのにいつも起床時間の一時間も前から目を覚ましている。これはキャラバン時代から隠れてこっそり自主練をしているうちに身についた。実際、合宿が始まるまでは早朝のランニングは欠かさず行っていた。
今日は良く晴れてる、空が青い。昼間は日差しが強くなりそうだ。そんなことを思いながら目を細める花織はふっとグラウンドに視線を落とす。いるはずのない青いユニフォームを纏った選手が一人、走り込みをしている。思わず花織は自室の時計を確認した。まずは自分の寝坊を疑った。だが間違いなく時計の短針は五を指している。
こんな時間から早朝練習?いくらなんでも早すぎるし、それに普段の練習は限界ギリギリまで行っているはず。今日のトータルの負担を考えれば確実にオーバーワークだ。
花織は素早く着替えを済ませて身支度を整える。いつもはストレッチをしたりして、朝食を作る時間まで部屋でゆっくり過ごすのだが練習をしている人物が気にかかった。彼が誰なのかは四階にある花織の部屋からでも認識できた。特徴的な緑のポニーテールが見えたから。
グラウンドに飛び出せばむっとするような暑さが身体を包む。今日も気温が高い以上に湿度が高い。陽光の眩しさに目を細めてふと思い立った。彼はきちんと休憩をとっているのだろうか。花織は一度合宿所へと戻る。キッチンでボトルと冷水に浸したタオルを準備した。
再び彼女は外へと戻る。するとちょうど彼、緑川リュウジと鉢合わせた。時刻は五時二十分、彼はこんな時間に外に出てくる人物が自分以外にいるとは思わなかったようで花織を見て目を丸くした。