第16章 エピローグ
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「風丸くん、結婚しないの?」
夕焼けに染まる雷門中学をバックに、大人になってしまった彼らの中からふと疑問が上がった。唐突な問いかけをされた風丸は驚いてその声の主を振り返る。真面目な顔をして風丸にそんなことを尋ねたのは現在吉良財閥を継いだ、基山ヒロト改め吉良ヒロトだ。
「い、いきなりなんだ……」
眉間に皺をよせ、風丸がぼそぼそと返答する。だが明らかにその声は動揺していた。今日は鬼道に呼ばれて風丸、壁山、不動、吹雪が雷門中サッカー部の練習の手伝いをすることになった。途中からヒロトと緑川がそれこそ鬼道に用があると言い、雷門にやってきて。そして練習が終わって現在に至る。
「だって、まさかキャプテンが先に結婚するなんて思わなかったし。それにまだ招待状も来ないから」
ヒロトに次いでそう言ったのは吹雪だ。彼は遥々北海道から明日の同窓会の為に前日からやってきている。彼は心底不思議そうに風丸に視線を向けていた。
「俺も不思議ッス。だってサッカー部に助っ人に来てくれた時から、ずーっと一緒に居るッスよね?」
「思い出したくもないが……、エイリア学園の時の戦いでも月島さんを試合に出したくないって騒いでたよね」
壁山と緑川が口々に彼らの中学生時代を振り返ろうとする。風丸は若干頬を赤くして彼らから視線を逸らした。
風丸の花織に対する気持ちは未だ褪せることなく、寧ろ強くなりつつある。大人の余裕ができて、昔みたいに子供じみた嫉妬こそしないものの、彼女を想う気持ちは以前よりももっと強いはずだ。そんな彼がどうして未だに結婚しないのか、それは彼の真面目すぎる性格が理由だった。