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諸恋

第16章 エピローグ




***

「本当に久しぶり。……ちゃんと顔を合わせるのは円堂くんの結婚式以来かも」

秋が温かいミルクティーをテーブルに置いて、懐かしむように言った。テーブルには既に秋が作ったのであろう美味しそうなクッキーがお皿の上に並べられている。椅子に掛けた花織は秋に礼を言いながらも、彼女の言葉に頷いた。

「そうだね。みんな忙しくて中々集まれないから……」

皆別々の道を歩き出し、かつての仲間たちで集まるということはそう多くはなかった。花織は雷門中学を卒業し、女子高等学校へと進学して仲間たちとは離れ離れとなった。それでも高校のときはまだサッカーの試合やたまの休日に集まってかつての仲間たちでサッカーをすることもしばしばだった。

しかし高校を卒業してからはもっと散り散りになってしまった。サッカーを続ける者、そうでないものに別れ、その中でもプロに引き抜かれるもの、アマチュアで活動する者、仕事に専念する者、あるいはコーチになる者などそれぞれの道を歩み始めた。

花織は、今もサッカー観戦は続けるものの、自身がサッカーに触れることはめっきりと少なくなった。高校卒業時、彼がプロに引き抜かれ、花織は大学へと進学した。そこから花織はかつての雷門中のメンバーとは一部を除いて疎遠になってしまったのだ。

「秋ちゃんはみんなが今どうしてるか知ってる?」
「うーん、何人かは知ってるんだけど……」

花織が尋ねれば秋は自分が把握している人物の近況について教えてくれた。春奈はこの春から雷門中の教師として教鞭を振るい、サッカー部の顧問もしているらしい。木暮はこの木枯らし壮に住み、一流企業の社員として働いている。半田は稲妻KFCの監督など。花織が知っている情報も含め、二人で仲間たちの近況を語り合った。

「一之瀬くんとはどう?順調?」
「ま、まあまあかな」
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