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諸恋

第13章 ふたりの軌跡



見守るだけならば、他のマネージャーとファンの女の子と変わりはしない。花織は凛と風丸を見つめる。花織を見つめる風丸の瞳は少し驚いたようだった、花織がそんなことを悩んでいたなんて、という彼女の言葉に対する驚愕だった。だが花織の意志の強い瞳に押されて何も言わずに彼は花織の言葉を待つ。

「私も一緒に世界と戦いたい。……イナズマジャパンのマネージャーとしてよりも、風丸一郎太の恋人として私は一郎太くんと一緒に走っていきたい」

マネージャー失格でも、何でもいい。花織はマネージャーである前に風丸一郎太の恋人だ。きらりと花織の首に下げられたネックレスの石が太陽光を反射する。花織は自分のジャージのポケットからあるものを取り出す。そしてそれを風丸の手に手渡した。

「花織……」
「一郎太くんの活躍だけを願って編んだの。よかったらつけてほしい」

風丸の手の平に乗せられたのはイナズマジャパンのユニフォームカラーのミサンガだった。花織がずっと寝る間も惜しんで風丸のことだけを考えながら編み込んだ。まるで織られたように寸分の狂いもなく綺麗に編み込まれている。色にもそれぞれ願いを込めた。

情熱の赤には風丸が十分な実力を試合で発揮できるように。まっさらな白には風丸が試合で怪我などをすることのないように。そして彼の髪色と同じ青には直向きに前だけを見つめる風丸の活躍を願って。

FFIを戦う風丸に対する花織の全ての願いだ。

「一緒に戦ってるんだって、少しでも実感したいから」

風丸は花織から受け取ったミサンガを手の中で握りしめた。触れているだけで、胸の底から力が湧き上がってくるような気がする。風丸は何も言わずにその場に左膝をつき右足にそのミサンガをきつく結びつけた。そしてゆっくりと立ち上がり、花織を見つめる。
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