第2章 選ばれた精鋭
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日本代表メンバーが選ばれてからすぐに解散の流れとなった。明日から本格的に練習開始となるため、選手たちは今からでも家に帰って荷造りをし、合宿所へと移動しなければならない。ちなみに合宿所は雷門中学の一年生の校舎を使うらしい。大会が決まった時から地道に改装工事をしていたとのことだった。
日本代表に選ばれたのはほとんどが納得のメンバーだった。それでもどうして選ばれたんだろうと疑問に思う選手もいたし、なぜ選ばれなかったのかが分からないという選手もいた。だが監督の判断基準は花織が図れるものではないし、何を言うつもりもない。花織の期待はかなえられたのだから。
「一郎太くん」
ようやく皆がまばらに散り始めて、ようやく花織は校舎の脇で落ち合った風丸に声を掛けることができた。風丸が花織を振り返る。浮かべた笑みは頼もしく、そして男らしい。花織は安堵の表情を浮かべて風丸に微笑み返す。そして言いたくてたまらなかった言葉を彼に伝えた。
「おめでとう。一郎太くんが選ばれて本当に良かった」
本当は一番に伝えたかった。誰よりも早く祝福の言葉を掛けたかったのに、なかなかタイミングがなかった。風丸が仲間たちと語らい終わるまでずっと待っていた。その間に花織は声を掛けられた鬼道や吹雪たちにすでに祝いの言葉をかけてしまっていた。だからそれこそ風丸がおめでとう、といった最後の選手かもしれない。
「ありがとう。……なんか実感湧かないな、俺がサッカーで日本代表になるなんて」
風丸は少し照れくさそうに笑う。ほんの数か月前までは陸上のトラックを走っていた。それなのにこの数か月で色々なことがあった。