第13章 ふたりの軌跡
「あのさ、カオリ」
「うん」
ウィンディが彼女の名前を呼べば、花織は目を開けてウィンディを見つめた。やはりいつもとは違う思いつめたような表情。しばし沈黙し、何やら迷っていた様子のウィンディは決心したように面を上げ、花織を見つめる。
「あの男とは、上手くいってるのか?」
「あの男?」
「カゼマルとかいうやつ」
どき、と花織は心臓が大きく拍動したのを感じる。痛いところを突かれたように目に見えて動揺した。……上手くいっているだろう。特に大きな問題もないはずだ、花織の心情を除けばだが。花織は乾いた唇を舐め、静かな声で返答する。
「……上手くいってるよ、どうして?」
「そうには見えないからだ。……俺にはカオリが時々寂しそうに見える」
スルスルとウィンディは花織の心の中を暴くように花織の核心を突く言葉を並べ続ける。花織は真っ直ぐなウィンディの瞳に怯んで目を逸らしてしまう。見つめていると何もかも見透かされてしまいそうだった。
「何か悩みがあるんじゃないか、あいつのことで」
「……そんなことないよ」
「でも俺には分かる」
ウィンディがそっと花織の手を取った。花織の手を取り、軽く口づけを落とす。花織は目を見張った。ウィンディはじっと花織を見つめている。
「俺、カオリが好きだ」