第13章 ふたりの軌跡
イタリアはコトアールに大敗した。イナズマキャラバンが会場に到着したと同時に試合終了のホイッスルが鳴り響いた。その圧倒的な結果に彼らは驚くことになる。イナズマジャパンと鎬を削り、引き分けたオルフェウスはコトアール相手に一点も得点することができず、八点差で試合を終えていた。
その結果を見て円堂は先に帰ってくれ、チームメイトに言い残し、イタリア代表の控室に向かっていった。残された他のメンバーは試合結果についての憶測を交わし合いキャラバンに戻ろうとしているときのことだった。
「カオリ!」
スタジアムの外、大声で名前を呼ばれて花織はびくりと肩を震わせて振り返る。さらりと長い黒髪が揺れ、花織は髪を抑える。声の元を探して目を凝らせば、スカイブルーの髪の少年が突撃せん勢いで花織のところに飛び込んできた。
「ウィンディ……」
「試合、見に来てくれたのか!?」
素早く花織に駆け寄ってきたウィンディは、花織の手を取って花織を嬉しそうに見つめた。
「うん、まあ……。決勝進出おめでとう、ウィンディ」
さすがにホイッスルが鳴った後に到着したのだから試合を見たとは言えないだろう。花織は困ったように笑い、ウィンディに握られた手をどうしたものかと見つめる。そんな二人の間に割り入ったのは先刻まで花織と話をしていた風丸だった。ムッとしたような表情でウィンディが握っている花織の手を取り、自分の手に握らせる。その行動にウィンディもまた顔を顰めた。
「何すんだよ、お前!カオリは今、俺と話してるんだ」
「前にも説明しただろ、花織は俺のガールフレンドだ。前々から思っていたがお前、花織に馴れ馴れしすぎるぞ」